要望書

東京都**区***丁目**番地に建設される(仮称)『○○マンション』新築計画の建設工事に関し、近隣住民は、建築主・設計者・施工者に、次の通り要望いたします。

【計画建築物への要望内容】

  1. 解体工事における環境被害について
    上記工場解体時において、常識の範囲を逸脱した騒音・振動、ならびに、風による散布物による健康被害が、すでに多数報告されております。
    上記問題のうち、とりわけ、築年数の古い同工場では、有害廃棄物である吹きつけアスベストやポリ塩化ビフェニール(PCB)が使用されていた可能性が著しく高いと考えられます。
    上記有害物質が使用されていた場合、解体工事における関係省庁へのしかるべき届け出や、近隣住民の健康被害を防ぐためのマニュアルは遵守されていたかどうかということについても、住民は多大な不安を持っております。
    ○○社は、上記の問題に関しても、住民に対して納得のいく説明を行い、且つ、すでに問題となっている家屋損傷や健康被害などにおいては、しかるべき補償を行うとともに、誠意を持って、速やかに、措置を講じていただきたいでと思われます。
  2. 土壌汚染の可能性について
    建設予定地は、平成**年*月まで操業していた○○株式会社工場用地として使用されていました。○○株式会社では、公害防止条例等制定以前の昭和**年代より、○○の製造を行っており、また、その原料に××を使用するため、土壌汚染の危険があります。
    したがって、住民立ち会いによる第三者機関による厳正なる調査のうえ、土壌汚染の有無の証明、およびその開示が早急に必要と思われます。
  3. 工事道路について
    現在、建築主である○○株式会社は、現場北側の幅4.5mの区道を使用して、工事に着工するとしておられますが、この区道は、住民側の計測によると2.6mしかなく、これは明らかに○○社側の計測ならびに申告の誤りであると考えられます。
    このため、工事によって、道路付近の住民に多大な騒音・振動被害をもたらし、安全上の不安を与える可能性があります。また、この道路は、隣接する**小学校の児童が通行する道路でもあるため、住民側は、工事車両の通行を認めることはできません。
  4. ○○マンション建築案について
    当該建築物は、地上n階建て、高さ**.**メートル、最大長**メートルで、敷地面積いっぱいに建築されるため、日陰面積がいちじるしく大きくなり、影響を受ける家屋が多くなります。この地域には高齢者が多く、外出の機会が少ない老人や病人にとっては、日照を奪われ ることはたいへんな打撃になります。また、賃貸マンション、アパートが含まれるので今までより入居率が悪くなるのと家賃料の低減が見込まれ、深刻な経済的打撃も予想されます。
    また、東側住民家屋とマンションのベランダまでの距離が、最短でわずか2メートルしかなく、家の中が丸見えになることが予想されます。
    また、今までは平屋建ての工場であったため、眺望の問題と圧迫感はありませんでしたが、建築予定の建物の場合、建物に面した側は眺望が完全に遮られ、また、建物の圧迫感は相当なものがあります。

以上の理由により、私たちは、建築物について、以下を要望いたします。

  1. 近隣家屋に圧迫感を与えないよう、レイアウトの変更を行う。
  2. 建物の高さを*階に変更する。
  3. 建物壁面の色彩について、住民と協議する。
  4. 日陰時間が長くなる家屋に配慮し、西側に採光機を取り付ける。
  5. 境界塀の高さ、デザイン等については、住民側と協議する。
  6. 緑地帯の設置を要求し、その植裁の内容については、住民側と協議する。
  7. その他
  8. 周辺環境及び近隣住民の不安を十分考慮し、前項すべての項目について、十分な協議の上、住民との合意に達し、工事協定書を締結の後、着工にはいることを要望いたします。

以上