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NBOnline記事「景観は『共有財産』、全国で相次ぐ規制の波」
「業者に誠意がないとき」最高に効果の上がる立看板
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建築確認申請について調べる

このことは、あちこちの参考ページでも書かれていますが、簡単にまとめてみます。

建築計画のお知らせ看板掲示後、30日が経過すると、業者は建築確認申請を出すことができます。
しかも、現在、民間で確認申請許可業務も行えるようになってしまいましたので、書面上、不備がない限り、2〜3週間で確認申請は通ってしまいます。はっきり言いますと、この法改正の目的は、要するに、自治体に確認申請を求めていると最低でも1〜2ヶ月かかってしまい、その間に隣接地域の住民が気づいて反対運動を始め、自治体に建築確認申請却下を求めたりする例が頻発したので、より業者がマンションを建てやすくするために、民間で2週間ほどでやってしまおうということにほかなりません。いうまでもなく、確認申請を受理できる民間企業には、天下りのお役人が出向するというわけです。この構造が、いま問題のマンション耐震偽造問題を生んだことは言うまでもありません。いかに言い繕おうとも、住民無視の希代の悪法であると思います。

とはいえ、法は法。一旦、建築確認がおりてしまうと、反対運動はその分、不利になりますので以下のように進めます。

初めての説明会の席では、住民はあくまで「第一回目」の説明会と認識していることを伝えます。(役所に報告書提出のための説明会は終わりました、ということにはさせないためです)

一応、建築確認申請を出したかどうかを建築主側に確認し、周辺住民との充分な話し合いの後に申請を出すように申し入れます。口約束ではなく、書面で書くよう迫ります。
そして、建築予定建物について、住民の了承を得ることと、工事協定書を締結するまでは、工事に入らないことを求めます。

といっても、たいていの業者は、「建築基準法には違反していない」ことをたてに、どんどん進めようとします。

ここでどんなことがあっても、(たとえば業者の言動に強い怒りを感じても)、けっして、住民の側から、話し合いの窓口を閉ざしてはいけません。(相手の思うつぼです)
あくまで、業者には継続した話し合いを要望し、説明会の終わりには、次回の説明会開催を求めます。できれば、日時もそのとき決めてしまいます。

もちろん、住民側でも役所に行き、紛争の調整の申し出をします。(自治体によっては、中高層建設物の建築に係る紛争予防条例があります)
そして、話し合いの開催を役所側から、業者に指導してもらいます。

これらの動きの中で、住民は、世話人を決め、住民の要望を、第三者にとってもわかりやすくまとめます。ただの住民エゴと見られないように、注意が必要です。
役所が調停してくれることになったからといって、喜ぶのは早計です。
役所は、住民の味方をしてくれたわけではなく、あくまで、中立なのです。とりあえず、業者がまともに話し合いのテーブルにさえつこうとしないときに、話し合いのテーブルにつかせる、という意味合いしかない場合もあります。

お役所にはいろいろな人がいます。
なかには、運悪く、やる気のないお役人に当たることもあります。
良心的な方にあたったとしても、お役所の方が、全面的に住民の味方になってくれることはまずありません。役所はあくまで「中立」の立場なので、その方の個人的心情はともかく、そこからはずれて動くことはできにくいのです。

ですから、お役所との交渉の中では、いらいらすること、親身になってくれていないと感じることも多いかもしれませんが、大事なのは、できるだけ役所と敵対関係にならないことです。解体工事の被害などが大きいのに、役所がすぐに動こうとしないからといって、感情的になって喧嘩を売ってしまうのは最悪です。敵は役所ではないのです。役人も人間ですから、住民の会が、お役所に反感を持たれてしまうと、面倒なことになることがあります。
同じように、「職務としては中立だし、法律上もなにもできなくても」、窓口のお役人さんが、心情的に住民の味方をしたいと思う.....そういう関係ができると、表だってはなにもなくても、じつは、あとあと大きな力となることがあります。
とはいえ、担当のお役人さんが、とても良心的で、住民側に立ってくださるように思えたとしても、役所はあくまで中立の立場であるということをけっして忘れずに。信頼しすぎて、住民の会の内部事情がわかってしまうような文書(住民集会で、世話人のAさんは白紙撤回を求め、Bさんは条件闘争を求めているため、対応に温度差がある、などというもの)を渡してしまったために、お役人さんに悪意がなくても、「住民からこういう苦情が来ています」というかたちで、それらの情報がみすみす業者に渡ってしまったケースや、逆に、住民に同情してくださったお役人さんが内部情報としてこっそり漏らしてくれた情報を、住民の一部が喜んで吹聴して回ったために、そのお役人さんが業者に突っ込まれて、苦境に立たされ、結果的に、かえって業者が有利になったケースもあります。

とても運が悪く、業者べったりで、露骨に住民運動に敵対的なお役人にあたってしまったときはどうするか。それでも、我慢して、とりあえず喧嘩はしないことです。そして、次の手を考えましょう。

とにかく、大事なのは、説明会を何度も開催させて、時間を引き延ばすことです。
時間が経ってくると、業者は焦ってきます。
確認申請が受理されたあとだと(というか、民間委託になってからは、ほとんどの場合、住民が建設を知ったときには確認申請は受理されてしまっているのですが)、業者は、一刻も早く本工事に入り、進めていこうとします。この場合は、とにかく、工事協定書を締結するまでは、工事に入らないことを約束させます。
かなり抵抗すると思いますが、これを約束させることができたら、ひとつ前進です。
どうしても、約束しない場合、あるいは、いったん約束したのに、あとで、それを撤回してくる場合は、いよいよ住民の結束が必要となります。

最後に、重要なことですが、これらの説明会は、かならず、録音を撮っておきます。ビデオと写真も、できれば撮っておくと良いです。悪徳業者ほど、これをやられるのを嫌がります。

自治体への陳情書ひな形
建築基準法